​「約束はすでに破られている」基地問題

父・岸本建男市長は普天間飛行場代替施設の辺野古への

受け入れに際し「7つの条件」を政府へ提示。

「どれか1つでも条件を満たせなければ受け入れを撤回する」

という条件を政府は受け入れ閣議決定した。

しかし退任直前に政府から提示された「沿岸案」は

7つの条件を満たすものではなく、「論外である」

「到底、受け入れることはできない」と緊急声明を発表。

それは退任を3日後に控えた2006年2月4日のことだった。

 

その後、父・建男市長が亡くなってからわずか11日後の

2006年4月7日、後任の島袋吉和元市長が沿岸案受け入れを表明。

7つの条件は反古にされ閣議決定も廃止となった。

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苦渋の決断と7条件

2006年4月7日、名護市に激震が走った。

当時の名護市長島袋吉和氏と額賀防衛長官との間で

『辺野古V字案』合意のニュース。

防衛庁内で島袋市長を数時間引き留め、

部屋から出てきたところに記者会見がセットされているという段取りだった。

「これが市長へのやり方か。

地元の気持ちをまったく考えてない」

 

という憤りが込み上げた。

同時に

 

「このままでは父の条件や取り組んできた8年間が

無に帰されてしまう」

 

直感した。

 

それは父建男市長が亡くなってわずか11日後のことだ。

父岸本建男は1998年2月に名護市長に当選し、

難題「普天間飛行場代替施設の辺野古移設問題」に向き合った。

 

1999年12月に7つの条件を前提に

「受け入れ容認」を表明。

その翌日、政府は7条件を受け「閣議決定」した。

この表明と7条件は市役所のホームページ内、

移設問題の推移(年表)で確認できますが、

1 安全性の確保

2 自然環境への配慮

3 既存の米軍施設等の改善

4 日米地位協定の改善及び当該施設の使用期限

5 基地使用協定

6 基地の整理・縮小

7 持続的発展の確保

 

記されており、

建男市長はそのうちのどれかひとつでも実施されない場合は

「受け入れを撤回する」

と明言した。

その後、辺野古集落(交番)から滑走路までの距離は、

2.2㎞とさらに条件を付けた。

 

7つの条件を8年間守り抜いた建男市長でしたが、

ストレスにより体調を崩し、2期をもって退任することとなる。

退任を3日後に控えた2月4日、

建男市長は、任期最後となる基地問題への表明した。

 

「防衛庁、防衛施設庁(当時)から説明のあった日米安全保障協議委員会で合意された沿岸案は、

滑走路延長線上に民間住宅があり、学校等が近在するなど、

住民生活への影響をえても論外である。

地元久辺三区をはじめ久志地域や市議会、関係機関、

団体等既に反対の意思が示されており、

市の受入条件や閣議決定、これまでの経緯に鑑みても、

沿岸案については、

到底、受け入れることはできない。」

 

 

この言葉を残し、2月7日退任後、

療養していた父は急変し3月27日この世をさった。

岸本 建男​   2006年 3月27日 永眠

受け継ぐ想い 
あらたなる決意

私はこの表明の真意について考える。

 

人生をかけて、市民の思いを背負って

基地問題と対峙し闘った父を私は見てきた。

しかし、この問題に命がけで取り組んだ岸本建男市長の8年間と

約束がまるでなかったかのように今、

埋め立て工事が強行されている。

 

私は、この辺野古新基地建設を到底認めることはできない。

信義はすでに破られている。

 

『みんな仲良く』

 

最後の力を振り絞り、そう言って眠りについた父。

 

「ノーサイド」立場を越えてわかり合うことを

大切にしていた。

 

その想いを胸に、

今こそ名護市を建て直す

決意であります。

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「原水爆禁止世界大会に寄せて」

名護市は1982年に非核平和都市宣言を行い、

宣言にて、市民はすべての戦争を拒否し、

核の廃絶を核保有国に求めておりますが、

この20年あまり、

辺野古の米軍基地建設の問題と向き合っています。

この基地建設に関しては、

2019年の県民投票において7割が反対し、

民意が示されたにもかかわらず埋め立て工事が強行されています。

埋め立てられている

「辺野古・大浦湾沿岸域」は、

生物多様性に富んだ未来へ残すべき海であると多くの環境団体が保護を訴えていて、

また先月、ユネスコが世界自然遺産に登録を決定した「やんばるの森」から目と鼻の先にあり、

自然との共生が求められる私たち社会にとっても守るべき海なのです。

核兵器や原発の問題、沖縄の基地の問題は環境問題でもあります。

生命がこの地球上で住み続けるために本当に重要な10年と言われている今、

大規模な環境破壊は許されません。

地球温暖化をくいとめ、

地球の自然環境を再生するための時間に猶予はありません。

私たちは、未来の子どもたちへ美しい自然をつなぎうる現代にあって、

地球が太古より変化と進化を繰り返し、多様性を育んできたことに思いを馳せ、

その多様性が織りなす複雑な関係性が豊かな自然をつくりだしていることはもちろんのこと、

平和な世界を保っていることを再認識して、

これからも地球の生物多様性豊かな自然環境と

辺野古・大浦湾の海を守り、

そして英知を結集して核のない世界をつくってまいりましょう。

2021年8月5日

​名護市議会議員    岸本洋平